ロト6は2000年10月の第1回から、これまでに2,139回抽せんが行われました。その全部の当せん番号が手元にあります。「この数字はよく出る」「連番は避けたほうがいい」「奇数と偶数は3対3がいい」。本当でしょうか。ひとつずつ確かめました。
結論を先に書きます。全部ただの偶然でした。 しかも、きれいすぎるほどに。
「よく出る数字」は存在するのか
まず、1から43までの各数字が何回出たかを数えました。
2,139回 × 6個 = 12,834個の数字が出ています。43で割ると、1つの数字あたり平均298.5回。これが理論値です。実際はこうでした。
| 出現が多い | 回数 | 出現が少ない | 回数 |
|---|---|---|---|
| 6番 | 331回 | 9番 | 261回 |
| 37番 | 322回 | 17番 | 275回 |
| 42番 | 318回 | 7番 | 276回 |
| 2番 | 317回 | 13番 | 278回 |
| 21番 | 315回 | 29番 | 281回 |
最多の6番と最少の9番で、70回の差があります。「やっぱり6番はよく出る」と言いたくなる差です。でも、この差には意味がありません。
70回の差は「誤差の範囲」だった
コインを1万回投げても、表と裏がちょうど5,000回ずつになることはまずありません。必ずズレます。そのズレがどれくらいまでなら「偶然の範囲」なのかは、計算で出せます。
今回の場合、理論上のばらつき(標準偏差)は17.1回です。つまり、298.5回を中心に、だいたいプラスマイナス34回(標準偏差の2倍)の範囲に収まっていれば、完全にランダムでも普通に起きることになります。
- 6番の331回は、理論値より32.5回多い
- 9番の261回は、理論値より37.5回少ない
ほぼぴったり、偶然で説明できる範囲でした。
念のため、統計的な検定(カイ二乗検定)もかけてみました。
| カイ二乗値 | 30.0 |
|---|---|
| 5%水準の棄却限界 | 58.1 |
30.0は58.1よりかなり小さい。 つまり「数字ごとに出やすさの偏りがある」とは統計的に言えません。26年ぶん、1万2千個以上の数字を調べて、偏りはありませんでした。
連番は避けるべきなのか
次に連番です。「05と06」のように連続する数字が入ると当たりにくい、という話をよく聞きます。
2,139回のうち、連番が1組以上入っていた回は1,161回。54.3%。半分以上の回で連番が出ています。
| 連番の組数 | 回数 | 割合 |
|---|---|---|
| なし | 978回 | 45.7% |
| 1組 | 872回 | 40.8% |
| 2組 | 251回 | 11.7% |
| 3組 | 36回 | 1.7% |
| 4組 | 2回 | 0.1% |
では、この54.3%という数字は多いのでしょうか、少ないのでしょうか。1から43の中から6個選ぶ組み合わせは、全部で6,096,454通りあります。そのうち連番を1組も含まないものが何通りあるかは、計算で出せます。
理論値は54.7%。実測値は54.3%。
差はわずか0.4ポイント。完全に一致と言っていい水準です。連番が出にくいわけでも、出やすいわけでもありません。ただ計算どおりに出ています。
奇数と偶数の比率
「3対3がいい」という話も検証しました。たしかに3対3がいちばん多く、32.9%です。
| 奇偶 | 理論値 | 実測値 | 回数 |
|---|---|---|---|
| 奇0 偶6 | 0.9% | 0.4% | 9回 |
| 奇1 偶5 | 7.3% | 8.3% | 178回 |
| 奇2 偶4 | 22.7% | 24.3% | 519回 |
| 奇3 偶3 | 33.6% | 32.9% | 704回 |
| 奇4 偶2 | 25.2% | 24.8% | 530回 |
| 奇5 偶1 | 9.1% | 7.8% | 167回 |
| 奇6 偶0 | 1.2% | 1.5% | 32回 |
ただしこれは「3対3が当たりやすい」からではありません。1から43には奇数が22個、偶数が21個あるので、単純に3対3になる組み合わせが一番多いだけです。
全部、誤差1〜2ポイント以内。 ここでも計算どおりでした。
3対3を選ぶこと自体は間違っていません。ただしそれは「当たりやすいから」ではなく「そういう組み合わせが多いから」です。そして多いということは、当たったときに分け合う人も多いということでもあります。
合計値の分布
6つの数字を足した合計値も見ました。平均は132.5。最小は45、最大は212でした。
| 合計値 | 回数 | 割合 |
|---|---|---|
| 21〜79 | 65回 | 3.0% |
| 80〜99 | 209回 | 9.8% |
| 100〜119 | 418回 | 19.5% |
| 120〜139 | 582回 | 27.2% |
| 140〜159 | 501回 | 23.4% |
| 160〜179 | 242回 | 11.3% |
| 180〜258 | 122回 | 5.7% |
100〜160の範囲に71.1%が集中しています。 理論上の期待値は132です。実測の平均が132.5。ここも一致しました。
これは分布の性質から当然で、サイコロを6個振ったときに合計が極端な値になりにくいのと同じ理屈です。真ん中あたりに集まります。
結局、何が言えるのか
4つの角度から2,139回ぶんのデータを調べて、結果は全部同じでした。計算どおり。
- 数字ごとの出やすさの差 → 誤差の範囲
- 連番の出現率 → 理論値と0.4ポイント差
- 奇偶比の分布 → 理論値と1〜2ポイント差
- 合計値の平均 → 理論値と0.5差
これは裏を返せば、ロト6の抽せんがきちんとランダムに行われている証拠でもあります。26年間、特定の数字が出やすくなるような偏りは一度も生まれていません。
そして当然ながら、過去のデータから次に出る数字を予測することもできません。毎回の抽せんは独立していて、前回までに何が出たかは次回に一切影響しないからです。
それでもデータを見る意味
ここまで読んで「じゃあ分析する意味ないじゃん」と思われたかもしれません。半分はそのとおりです。ただ、使いみちはあります。
たとえば合計値。100〜160に7割が集中するとわかっていれば、自分で数字を選ぶときの目安になります。当たりやすくはなりませんが、「極端に偏った選び方を避ける」ことはできます。
あるいは、他人と同じ数字を選ばないための材料にもなります。ロト6は同じ数字を選んだ人と当せん金を分け合う仕組みです。誕生日から選ぶ人が多いので1〜31に偏りがちで、32〜43は相対的に選ばれにくい。当たる確率は同じでも、当たったときの取り分は変わる可能性があります。
このあたりは確率を変える話ではなく、期待値の話です。
元データを見る
今回使ったデータは全部サイトで公開しています。2000年の第1回から最新回まで、1回ずつページにまとめました。
ロト7・ミニロト・ナンバーズ3・4も同じように揃えています。ナンバーズは1994年からです。
公開:2026年9月22日